3年に1度、生徒・教職員の代表が訪問し、お互いの交流を深めています。
■ローズベルト高校オフィシャルサイト【http://www.roosevelt.pps.k12.or.us/】

| 派遣生徒数 | 引率者数 | 派遣者計 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 全日制 | 定時制 | 教員 | PTA | ||
| 1989年 第1回 | 3 | 1 | 1 | 0 | 5 |
| 1992年 第2回 | 4 | 0 | 2 | 0 | 6 |
| 1995年 第3回 | 4 | 0 | 2 | 0 | 6 |
| 1999年 第4回 | 26 | 4 | 7 | 2 | 39 |
| 2001年 第5回 | 9 | 0 | 3 | 0 | 12 |
| 2004年 第6回 | 8 | 0 | 2 | 0 | 10 |
| 2008年 第7回 | 10 | 0 | 2 | 0 | 12 |
ポートランドの紹介
人口約170万人、米国北西部第二の都市ポートランドは、各種調査期間のアンケート結果で、常に「最も住んでみたい都市」の上位にランクされている美しい自然にあふれた街です。また消費税が無いため、お買い物をした場合はお得感を感じるでしょう。
札幌市とは昭和34年(1959年)11月17日に姉妹都市の連携をしています。
ローズベルトキャンパスの概要
この高校は数年前から学校改革により、現在は3校のスモールスクールで構成され、総称が「ローズベルト高等学校キャンパス」と呼ばれています。
●ACT 校舎(芸術とコンピュータ工学系の学校) ●POWER 校舎(理数系の学校) ●SEIS 校舎(事務、法律、教育系の学校)以上の3つのスモールスクールで構成され、それぞれに校長が配属されています。
ポートランド姉妹校訪問報告
新川高校教諭 足 達 圭 二
今回7度目となる本校の姉妹校訪問について、引率者あるいは一英語教員の目で見、感じたことを雑駁ながら綴っていきたいと思います。
我が新川高校は3年に1度、アメリカ・オレゴン州のポートランドにある姉妹校、ローズベルト高校へ生徒を派遣する事業を行ってきました。本来であれば、その7回目は昨年度に実施されるはずでしたが、現地との連絡の不首尾などの事情により、今年度への延期を余儀なくされたのでした。このことにより在学中に応募の機会を得られなかった昨年度の3年生(卒業生)にも、ホームページで参加者募集の告知を行うことから、今回の派遣事業は始まりました。結局、申込締め切り日まで卒業生からの応募はなく、その予算として計上していた分を在校生に回すこととなり、結局これまでのケースより2名多い10名の生徒たちに派遣のチャンスが与えられることになりました。5月末に全校生徒を対象に募集をかけたところ、20数名の応募があり、国際提携委員会による書類選考・面接の結果、10名の生徒が派遣対象者として選抜されました。ただし選から漏れた生徒たちの中にも、熱心に意気込みを語ってくれた者がおり、実際の選考には先生方も頭を悩ませました。
今回の派遣では、予算の面でこれまでと違う問題が付きまといました。折からの原油高騰のあおりを受ける形で、航空費に加算される「燃油サーチャージ」が前例のないペースで上昇を続けたのです。生徒に募集をかけた段階では、実際に航空券の予約を取る時にどの位の金額になるか、予想がつかない状態でした。最終的には、参加生徒たちの自己負担を少々増やさざるを得なかったのですが、何とか当初の予算の範囲で収まってくれたのは、一安心でした。
晴れて参加者となった生徒たちは、出発まで5回のガイダンスを通して、海外派遣の心構えを学び、またしおり作成などの具体的な準備を行いました。さすがに全員積極的な取り組みを見せてくれましたが、とりわけ3年生の北川君・中出さんがリーダーシップを発揮し、それぞれのグループのとりまとめを行ってくれました。
しおりの作成に当たっては、青塚校長先生が自らアイディアを提案していただき、生徒たちがそれぞれ役割分担に従って原稿を作成して仕上げることとなりました。現在は各自がインターネットなどにより、簡単に海外旅行の情報が入手できることもあり、それぞれの個性を発揮したページが揃いました。
ただ、今回の派遣におけるもっとも大きな問題が、しおり完成の時期になっても解決を見ていませんでした。それは、生徒のホームステイ先が、出発の1週間前になってなお未確定の所がある、ということでした。この件については、近畿日本ツーリストやポートランドの代理店アズマノインターナショナルで尽力してくださったものの、結局全員の滞在先が決定したのは出発のわずか数日前でした。(この件にはさらに後日談があり、出発当日の朝になってから、ホストファミリーがインフルエンザにかかったため、急遽ステイ先が変わったのが3件、さらに現地で当日になって連絡が全く取れずに変更されたのが1件と、波乱含みのホームステイとなりました。)
さて、実際にポートランドで研修を始めてから、生徒たちの様子を見ていると、囲まれているすべての物に刺激を受け、感動しているのがこちらにはっきりと伝わってきました。空や山の色、空気のにおい、右側通行の車、何でも大盛りで大味の食べ物、そして四六時中耳に飛び込んでくる英語の波状攻撃。普段教室で彼らが耳にする英語は、英語学習者向けに調整がなされた加工済みの英語です。ところが、彼の地で出くわしたのは、まさしくむき出しで容赦ない、「産地取れたて」の英語なのです。生徒たちがレポートで書いているように、この体験でかなりの生徒がショックを受け、また苦労をしたようです。
しかし、今回の旅で彼らが初めて実感したであろうこと、それは英語は本来テストで点数をとるためのものではなく、人とコミュニケーションを取るための道具である、ということです。英語教員として、この当たり前の事実を、普段の英語の授業でなかなか教える機会がないというのは、歯がゆいことです。カリキュラムに余裕があれば、様々な方法で英語を使う楽しさを伝えたいのですが、受験を最優先しなければならない現在の日本の教育システムの限界もあります。
テストでは、どうしても間違いをなるべく少なくすることに注力しなければなりません。しかし、今回生徒たちが異口同音に言った、「先生、間違ってしゃべっても、結構通じるね。」という言葉は、英語(言語)というのは本来、それだけ柔軟性を備えていることを、自身で身をもって体感したという証拠でしょう。生徒たちには是非、間違いを恐れず、英語を道具として積極的に使う姿勢を今後の人生において、持ち続けてほしいと思います。実際、今後の英語学習への意欲に火がつき、将来の「リベンジ」を図っている参加者もいるようです。英語教員としては、こんなに嬉しいことはありません。
さらに生徒たちは、学校教育のシステム、特に授業のやり方の違いに少なからず衝撃を受けたようです。特に向こうの生徒たちの行動に面食らった者が多くいました。授業中に黙って板書を写している生徒はほぼ皆無で、先生に質問をする者、近くの者同士で話をする者、何かを食べている者、ヘッドホンで音楽を聴いている者、どれも日本の学校ではあり得ない光景です。さすがに食べたり、音楽を聴いたりしている者は、時に注意を受けることもありますが、基本的に生徒のペースで授業が進められていくのは、今回の参加者たちにはカルチャーショックだったようです。中には「日本もこのやり方をすれば、飽きずに授業が受けられるのに」と、その様子をしきりにうらやむ者もいました。しかし、そのことを話した生徒がホストマザーに、「きちんと勉強の力をつけるには、日本のやり方の方がいいのよ」とたしなめられたそうです。自分たちにないものを見たとき、その良い点ばかりに目を奪われがちですが、生徒たちには自分たちが持つアドバンテージにも気づき、客観的に比較できるようなバランス感覚を身につけて欲しいと思います。
何より、この海外派遣で生徒たちが得た一番の収穫は、人とのつながりであろうと思います。まったく初めての地で、言葉もままならない中、知らない自分たちを歓迎し、優しく接してくれた現地の高校生や先生方、ホストファミリーの人たち。これまで日本という限定された場所で、同じ日本人同士でのつながりしかなかった生徒たちが、習慣も言葉も人種も違う人たちと出会い、人間が本質的に持つ温かさに触れ、気持ちを通わすことの素晴らしさにだれもが気づいたに違いありません。旅程最終日、別れの朝に、出発するバスの前で目に一杯涙をためて、ホストファミリーと抱き合う生徒たちの姿に、こちらも胸が熱くなりました。生徒たちはあちこちでメールアドレスを交換してきたようです。今後も連絡を取り合って、いつの日かまた、今回お世話になった方々へ成長した姿を見せるような機会を自分たちで作ってくれれば、今回の旅も一過性のものでない、将来の国際交流につながるものになると期待をしています。
私自身もこの姉妹校訪問では、これまで見たことのないアメリカの一面を見、そしていろいろな方にお会いすることが出来ました。ローズベルト高校の先生方とは、お互いに持つ仕事上の苦労や問題について、有意義な意見交換をすることが出来ました。バイタリティーあふれる副校長のジェイソン先生は、まだ38歳とのこと。大いに励みになりました。また、モイヤー会長さんを始め、エリック副会長さん、グールディ洋子さんなど、ポートランド姉妹都市協会の方々には、生徒共々夕食会にお招きいただき、また今後とも国際交流に対する協力を約束して下さるというありがたいお言葉をいただいてきました。また、現地の旅行代理店アズマノインターナショナルのコーディネーターである籾山さん、ラーラさんにも大変細かなところまで気遣いをしていただき、全体としては成功裏に研修を終えることが出来ました。そして、札幌国際プラザの後藤さんのお世話なくては、この学校訪問を実現することは不可能でした。多くの方々に支えられた姉妹校訪問であったと、この場を借りて感謝申し上げます。
